感想・要約『世界96カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養 「世界の民族」超入門』

こんにちは、ちんぱんパパです!

先日本屋さんに言った折、『世界96カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養 「世界の民族」超入門』という書籍がベストセラーとして平積みされていました。

ロシア・ウクライナ紛争などで国際情勢が荒れるなか、そういえば世界の民族事情ってあまり知らないな、と思い手にとってみました。

日本という閉じた国に生まれて、各地の民族的な感情などについて初めて知ることも多く、非常に勉強になりましたね。

世界の情勢に興味がある人はぜひ読んでもらいたいと思います!

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民族の定義

本書では、民族とは「言語や文化、生活習慣、血縁等に関して同胞仲間意識が広まっている集団。流動性、多層性などの特性を持つ。」と定めています。

噛み砕くと、国籍や人種のくくりが民族ではない、ということです。

同じ人種でも宗教が違えば違う民族としてまとまったりしますし、そもそも国籍をもたない民族もいる、ということです。このあたりの前提感が、すでに目を開かさせる思いでしたね。

そして、民族としてまとまりやすいファクターとして、「言語」「宗教」「人種」がある、という感じでした。

このファクターを主として、国ベースの民族的特徴をかいつまんで教えてくれる内容となっています。

『世界の民族』超入門の要約メモ

本書を流し読みするだけでは頭に入らなさそうだったので、メモをしながら読んでいきました。

以下メモの内容を備忘録代わりに張っておきます。本書の要約にもなっていますが、詳しい歴史背景などは省いているため、面白そうだな、と思った方は、ぜひ本書を購入してもらえればと思います!

カテゴリ国・地域主な宗教メモ
東アジア中国92%が漢民族
ウイグル、チベットに対しては独立を危惧して弾圧している
民族紛争が多かった北は軍事、そうでもない南は経済で発展
東アジアウイグルイスラム教イスラム色が強く、それもあって中国から弾圧を受ける
東アジアチベット元々独立国だった時代もある
東アジア朝鮮半島韓人のほぼ単一民族
支配されてきた歴史が長く、他国との関係に緊張感を持っている
東アジア香港イギリスの支配にあったことで、共産文化の影響を受けていない
中国政府に反発心がある
東アジア台湾元々東南アジア系の数十の少数民族が暮らしていた
17世紀に、女真族の清王朝から逃れてきた漢民族が流入、本省人となる
第二次世界大戦後、漢民族が支配しに来て、少数民族+本省人との軋轢が生まれ、現代に続く
東南アジアフィリピンカトリック中心、南部はイスラムスペインの統治でカトリック化
東南アジアマレーシアイスラム教マレー系
東南アジアシンガポールマレーシアから独立、政策にによって民族差別が少ない
東南アジアインドネシアイスラム教300を超える民族がいる、インドネシア語を作ってまとまる
東南アジアベトナム大乗仏教キン族中心、50くらいの少数民族がいる
東南アジアタイ仏教タイ族中心、植民地支配を受けたことがない
東南アジアミャンマー仏教ビルマ族を中心とした多民族国家
イスラム教であるロヒンギャを迫害
南アジアインドヒンドゥー教アジアともヨーロッパともうまくやれる中洋国家
北はアーリア系、南はドラヴィダ系
言語がたくさんあり、言語=民族となっている
南アジアパキスタンイスラム教宗教を理由に、イギリスからの独立時インドから分かれる
南アジアバングラデシュイスラム教宗教を理由に、イギリスからの独立時インドから分かれる
南アジアネパールヒンドゥー教
南アジアスリランカ仏教(シンハラ人、70%)、ヒンドゥー(タミル人、12%)仏教とヒンドゥーで内戦が続く
南アジアブータン仏教
ヨーロッパイギリスプロテスタントイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの連合国
イングランドは、ゲルマン系アングロサクソン+ノルマン人の民族
そのほかは、ゲール語を話すケルト系民族
ヨーロッパアイルランドカトリックイングランドとの併合にずっと抵抗している
ヨーロッパフランスいろいろな民族が入ってきている
行き過ぎた政教分離によりイスラムと関係性が悪い
ヨーロッパスペイン5つの公用語がある多民族国家
中央政府マドリードと歴史あるカタルーニャで文化が違い関係性が悪い
ヨーロッパイタリアカトリック植民地が少なく自国にとどまる人が多い
ヨーロッパドイツプロテスタント地方分権性が強い
ヨーロッパスウェーデンプロテスタントゲルマン系、コスモポリタン的
ヨーロッパノルウェープロテスタントゲルマン系、コスモポリタン的
ヨーロッパデンマークプロテスタントゲルマン系
ヨーロッパフィンランドウラル語族
ヨーロッパオーストリアコスモポリタン的
ヨーロッパスイスコスモポリタン的
ヨーロッパベルギーコスモポリタン的
東ヨーロッパロシア正教会東スラブ人
西ヨーロッパにコンプレックスがある
専制政治により、方言がない
以外に異民族に寛容
東ヨーロッパベラルーシ東スラブ人、ロシアに近い
東ヨーロッパウクライナ東スラブ人
キーウがスラブの歴史的都市のため、ロシアの本拠地として見られている
東にはロシア人がたくさん住んでおり、対立を生んでいる
クリミアがロシアに奪われる
東ヨーロッパセルビア正教会南スラブ人
東ヨーロッパクロアチアカトリック南スラブ人
東ヨーロッパスロベニアカトリック南スラブ人
東ヨーロッパボスニア・ヘルツェゴビナイスラム教南スラブ人
東ヨーロッパモンテネグロ南スラブ人
東ヨーロッパチェコ西スラブ人、ドイツ的
東ヨーロッパスロバキア西スラブ人
東ヨーロッパポーランドカトリック西スラブ人、国内のユダヤ人が大量に強制収容された歴史を持つ
何度か国が消滅している
東ヨーロッパルーマニアラテン系
東ヨーロッパハンガリーウラル語族、非スラブゆえの西ヨーロッパプライドがある
東ヨーロッパブルガリア正教会
東ヨーロッパギリシャロシアと文化、宗教的な関係性が近く、ロシアから経済支援を受けている
東ヨーロッパアルバニアイスラム教
東ヨーロッパチェチェンイスラム教ロシアに併合されているが、ロシアからの独立を目指し紛争が絶えない
東ヨーロッパアゼルバイジャンイスラム教ロシア風、トルコ系、シーア派、ロシア嫌い
東ヨーロッパジョージア正教会ロシアと揉めている
東ヨーロッパアルメニア正教会ロシア嫌い、トルコ大嫌い(第一次大戦で虐殺された歴史がある)
ユダヤに次ぐディアスポラが起こっている
東ヨーロッパカザフスタンイスラム教トルコ系
東ヨーロッパウズベキスタンイスラム教トルコ系
東ヨーロッパトルクメニスタンイスラム教トルコ系
東ヨーロッパキルギスイスラム教トルコ系
東ヨーロッパタジキスタンイスラム教イラン系
東ヨーロッパエストニアプロテスタントウラル語族
東ヨーロッパラトビアプロテスタント、カトリックドイツの影響が強い、バルト語
東ヨーロッパリトアニアカトリックバルト語、杉原千畝で有名
中東イスラエル元々住んでいたパレスチナ人が追い出された
ユダヤとパレスチナ(イスラム)との対立の拠点となっている
中東イランイスラム教シーア派ペルシャ民族(非アラブ人)、歴史背景が厚くプライドが高い
元々イギリス領だったが、反発する形で独立
アメリカ大使人質事件により欧米との関係性が最悪に
中東イラクイスラム教スンナ派(比較的)シーア派の封じ込めと石油を目的に、フセインがイラン・イラク戦争を開始
中東トルコイスラム教テュルク族が発祥で、様々な文化を受け入れてきた。イスラムの国の中でも西欧的
オスマン帝国としてヨーロッパを支配した歴史もあり、イスラムの花形
中東クルド人イスラム教オスマン帝国分割の際に居住地に国境を引かれたせいで、国をもたない民族になった
どの国からも抑圧され、イラン・イラク戦争に利用されたり、ISに参加したりしている
中東サウジアラビアイスラム教石油で大儲け、宗教色が強い
北アフリカチュニジアイスラム教元フランス植民地
北アフリカアルジェリアイスラム教元フランス植民地
北アフリカモロッコイスラム教元フランス植民地、オスマン帝国の支配を受けていない
中東エジプトイスラム教人工が多くアラブの中心、エンタメも強い
植民地支配を受けておらず、比較的おおらかな国民性
南部の黒人を差別する感情がある
中東シリアイスラム教・キリスト教ヨーロッパよりの文化
中東レバノンイスラム教・キリスト教ヨーロッパよりの文化
アフリカエチオピアアフリカ最古の国家、植民地時代も独立を維持
アムハラ族とティグレ族が軍事的に紛争している
アフリカエリトリアエチオピアから独立、過去にオスマン帝国、イタリア、イギリスの支配を受けた
アフリカナイジェリアキリスト教(南部)、イスラム教(北部)250の部族が住む
奴隷貿易の拠点
産油国で経済大国であるが、政治不信により経済が伸びない
アフリカタンザニアキリスト教、イスラム教スワヒリ語が公用語、キリストとイスラムが融和的
アフリカケニアキリスト教、イスラム教スワヒリ語が公用語、大都市ナイロビを有する
アフリカ南アフリカ白人が多くいる国
イギリス人>オランダ人(アフリカーナ)>黒人、という序列
アフリカーナがアパルトヘイトを制定、廃止された今でも黒人差別が残る
アフリカモザンピーク比較的圧政をしないポルトガルの元植民地
アフリカアンゴラ比較的圧政をしないポルトガルの元植民地
アフリカ赤道ギニア比較的圧政をしないポルトガルの元植民地
アフリカコンゴベルギーのレオポルド2世が悪虐の限りを尽くす
アフリカウガンダ政治腐敗が続く
アフリカボツワナダイアモンドで潤う経済国
北米アメリカ奴隷制時代から続く黒人差別が色濃く残る
民族にかかわらず、「自分はアメリカ人」というアイデンティティがある
北米カナダフランス文化の影響が強い
多文化主義を打ち出し、黒人、アジア系にも門戸を開く、人種差別がアメリカと比較してあまりない
中南米ハイチ黒人国家として初の独立国。黒人奴隷が中心
中南米ペルーカトリック先住民が多い
中南米ボリビアカトリック先住民が多い
中南米パラグアイメスティーソが多い
中南米チリメスティーソが多い
中南米コロンビアメスティーソが多い
中南米ベネズエラメスティーソが多い
中南米メキシコメスティーソが多い
中南米アルゼンチン白人が多い
中南米ウルグアイ白人が多い
中南米グアテマラ先住民がやや多い
中南米ジャマイカ黒人が多い
中南米バハマ黒人が多い
中南米ドルバドス黒人が多い
中南米ドミニカ黒人が多い
中南米メキシコ先住民がやや多い、大きい
中南米ブラジル人種差別が少ない、混血がめちゃくちゃ進んでいる
オセアニアオーストラリア白豪主義がとられたが、1970年に撤廃、アジアの流入が進む
オセアニアニュージーランド先住民族マオリ族の差別もあるが融和が進んでいる

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